
1980年10月10日。
私が最後にゴールデン・デリシャスを食べた日。
場所は岩手県一関市だった。
リンゴの色を日本人に尋ねると赤と答えます。
西洋人に聞くと黄色(ゴールデン)と応じます。
その西洋人の答える正統の黄金リンゴ:ゴールデン・デリシャス。
その古い品種が写真です。

王林の片親です。
古い品種が現代の品種より味で劣っているなんて思ってはいけません。
品種交代の理由は、もっと経済性の問題が絡むことが多いと覚えていてください。
例えば今日のゴールデン・デリシャスの味は明らかに王林より上だと私は思います。
デリシャスリンゴの香りを受け継ぎ、酸味と甘味が絶妙に和しタップリの果汁。
上品この上ない貴族的な味です。
それに比べて子である王林は、確かに豊かな香を有していますが、味は甘味が強く酸味が弱い。
1ベクトル方向の味で、陰影・奥行きという点ではゴールデン・デリシャスには全く及ばないと私は思います。
それでは何故、ゴールデン・デリシャスが王林に取って変わられたかと云うと、一点は貯蔵性。
ゴールデン・デリシャスは、日持ちが悪くスカスカになり易い。
幾ら味か良くても、さすがにスカスカの歯応えの無い状態では食べても美味しくない。
まして昔は今ほど流通もしっかりしていないので、収穫から消費までに日数が掛かるのが当然でした。
また熟し加減が、果皮の色からは分かり辛いので、未熟果のうちに出荷して酸味の強い、甘味の足りないマズイものが流通して評価を下げた。
また果皮を綺麗に作るのは、それなりに手間が掛かり大変と聞いたこともある。
そんなこんなで何時の間にか、全く見かけなくなって久しいゴールデン・デリシャス。
もう一生食べらないと思っていました。
そうしたらキノコ狩りの帰りに寄った福島の飲食店。
その駐車場に面した農家の直売所にあった。

聞くと古い品種も数本づつ残してあるそうだ。
その奇特な心に頭が下がる。
27年ぶりに食べたリンゴの味はデリシャス。
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