今年も師走、思えばこの一年色々な日本酒を飲んだ。
ブログにUPしたもの以外でも、かなりの種類を経験した。
その中でも今年一番印象に残った酒が今日のもの。
ちょっと手持ちの日本酒が切れた時があった。
何か買おうと行き着けの酒店へ行った。
島や
ここは品質管理が徹底しているので安心してお酒を購入できる。
酒・ワインのコーナーは全て蔵の中と同じ保存状態。
暗くて涼しい。
夏場は、半袖で暫くいると、寒くなる。
ただこのお店、問題もある。
品揃えが多くなかなか決められない事が一点目。
流石に全国には、まだ飲んだことのない酒が無数に存在する。
順番に飲んではいるが、またあとから知らない銘柄が補充されている。
二点目の問題は、自分が決めている購入価格を超えて飲みたいものがある。
私は、晩酌用には1.8L3,000円以内の純米酒
精米は60%以下と決めていた。
今回購入の『龍力・生もと純米』は、両方とも満たしていなかった。
価格が3,150円。
税金分オーバー。
精米は65%。
5%オーバー。
今までの経験では60%を超えてくるとヌカ臭く好きではない。
今回それでも敢えて購入したのは、今年この蔵の大吟醸を飲んで、いたく感銘を受けたことを思い出した。
ただあの大吟醸は、1.8Lで一万円だったが、今回はその1/3もしない。
勿論同じ感動はないだろうが、蔵の味、姿勢が分かると思いトライした。
まず大変大柄。
最高の酒米・山田錦の特徴のしっかりした骨格。
ただ今まで飲んできた山田錦は、吟醸酒が多く、余分な贅肉がなかった。
その点、今日のものは人間味たっぷり。
雑味と言うか、複雑さと言うか非常に厚みのある飲み応え。
日本酒は、お米を削って作る。
削れば削るほど、外側に多く含まれるたんぱく質が取り除かれ、純粋な味に成る。
その極致が大吟醸で、65%もヌカにしたりする。
今回のお酒は35%ヌカにした65%精米。
今の売れ筋とくらべると、大分抑えた精米。
ヌカ臭くないか心配したが、お酒は大変素晴らしい。
今までお酒では嗅いだことのないような、香ばしさがある。
釜戸で炊いたご飯が軽く、焦げたような香り。
その香ばしさが、大柄の肉体を包む衣装の様に自然でフィットしている。
ピーナッツを渋皮ごと食べているような味の豊かさがある。
今まで吟醸酒規格の60%~55%精米の純米酒を飲んでいたが、今日のお酒でこの精米歩合の呪縛から開放された感じがする。
龍力