うなぎの肝

昨日は、同胞ブロガーから風邪をひかないようにとの暖かいお言葉を賜り、嬉しい限りです。
ですが私はめったに風邪をひきません。
きっと食べた物が殆ど燃焼するので体温も少し高めだし、コレステロールもトリグリも上がりません。体重も標準を超えたことがありません。
その燃焼熱で、風邪のウイルスも焼かれるのかも知れません。

以前はスキー場へ素足にビーチサンダルで行ってました。(凄く滑りやすい)
仙台にいた時、正月にMさんを駅に迎えに行って、真冬にビーチサンダルを見てビックリしていたのを思い出します。

でも折角、暖かい労わりの言葉を貰ったので、精の付く物と思いウナギの肝(キモ)を買ってきました。
ウナギは精が付くと、江戸時代、貝原益軒がウナギ業界の宣伝を手伝って土用の丑の日に食べるようになったことは有名ですが、確かにウナギ自身生命力が強いので満更嘘でもないでしょう。

ウナギの肝の前に、今日は米沢や佐倉のモツ煮込みの憂さをはらすぞー。
日本の肉食文化の未発達を証明する一つのポイントとして内臓の評価があると思います。
例えば関西では「ほおるもん(捨てるもの)」から「ホルモン」焼が出来たように、肉よりかなり低く扱われていました。
でも本来、肉より内臓の方が旨いのは、肉食獣が最初に獲物の内臓から食べるのが証明していてるし、西洋ではよく内臓を食べるそうです。
この前『アラジン』でも食べた。
私の好物はフォアグラとリードヴォー。
肉はレストラン・ファミレス・定食屋・コンビニ弁当ですら食べられるのに、内蔵は焼肉屋か専門のホルモン焼屋ぐらいで日本人の食肉文化が未成熟の証明だと思います。

その点、魚になればフグや鱈の白子。
ウナギや鮟鱇の肝。
秋刀魚や鮎(日本固有種のはず)は内臓も一緒に賞味するし、それ以外にも特殊な加工品として『ウルカ』『このわた』などの醗酵食品群などがあり、圧倒的に魚になれば内臓を食した深い文化を形成していると思います。
つながりませんが、米沢では牛モツ煮込みを食べたかった。

戻して、本当は魚でも身より内臓。
ウナギでも、やはり身より肝が一番ですよね。
肝心だし肝入りだし。
その肝が身より安いので助かります。

写真のものは、千葉県香取市小見川にある『おくまや』のウナギの肝の佃煮(90g500円)です。
ここはテイクアウト専門店ですが、炭火焼のウナギや川魚などの佃煮などがあります。
季節には利根川の天然ウナギもあります。確か100年以上続く老舗です。

味は甘辛く煮付けられて少し苦味。
微妙な成分が多数集まり複雑な味を作り出している。
うなぎ屋で食べると『肝焼き』ですが、ここは煮物なので軟らかで苦味も弱い。
普通、旨いものは、身体に悪いものが多い。例えば霜降り牛肉、フォアグラ、バター、卵黄。でもウナギの肝はこんなに旨いのに身体に良いはず。

ウナギの名の由来は、胸黄。
利根川の天然ウナギは青と呼ばれ高級品。
天然ウナギが減少したのは、養殖用に稚魚を取っているからと皮肉。

買ってきたウナギの肝は、日本酒に本当に良くあう。
つい飲みすぎてしまいます。

若い奴らはそれを見て「キモイ」て言うのかな。

おくまや
0478-82-2402
千葉県香取郡小見川町阿玉川１７０－１


(文字数1,280ぐらい)


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