この前は子供の猪を使ったパテだった。
今回は成獣の猪。
肉の色が濃いし、匂いも強い気がする。
ややジビエ。
スープがカボチャからサツマイモに変わったというので飲んだ。
カプチーノ仕立て。
私はやはりサツマイモの香りがあまり好きでないと判った。
今回のメインは魚料理にした。
それではこの魚は何でしょう。
判れば凄い。
私は見た事はあるが、食べるのは初めての高級魚。
私の前に隣のグループで魚料理を頼んだ人がいた。
料理が届けられ「ヒラメです」と説明する声が聞こえた。
内心ヒラメか~、ランチの魚料理なのにいい材料を使っていると思い、自分の分が届くのを楽しみにした。
暫くすると「ヤガラです」と私の料理を持って来た。
思わず「ヤガラ?」と復唱する私の声が裏返った。
以前ある割烹のカウンターでお昼を食べていると、ご主人が九州産のヤガラを現地から送ってもらったと自慢げに見せた。
高価なので普段は使えないと話された。
刺身にも使え、脂も乗り美味しいと言う。
勿論私は食べられず、恨み半分、興味半分で後から調べ、弓矢の矢を入れる筒からその細長い魚の名前になったと知る。
そんな高級魚が普段の値段で、フレンチで食べられるなんて想像すら出来なかった。
皮は薄く、身は純白、ふわり柔らかで癖がない。
今までにちっと食べた事のない食感。
小骨も一切なく非常に食べ易い。
下のキノコソテーもエリンギ・シイタケ・マシュルームなど複数の種類を使っている。
デザートは、ミルクプリン。
エスプレッソは、最後にゆっくりと。
他のお客さんが皆いなくなるとシェフが厨房から出て来た。
市場の魚屋さんがヤガラを仕入れたが高価で売れない。
それでいて大きなヤガラなので長くて冷蔵庫に収まらない。
魚屋さんが赤字覚悟で安くするので買って欲しいと頼まれたそうだ。
そうでなければとても買えないし、普段の値段で出せないと言う。
そういえば、私が何時ものように料理の写真を撮っていると料理アシスタントの若い人がカメラを持参し、料理の撮影を依頼される。
それくらいヤガラは、料理人にとっても貴重なもの。
何と巡り合わせが良かったかと私は嬉しく思った。
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