うなぎを自宅で美味しく食べる為に岩手へ行った。
ところで英語で japanは漆のこと。
外国から日本の国名を物として名付けられた。
悔しいけど今日は、その話には触れないで行きます。
農産物や工業製品でも、国際化の影響で中国製の使用が高まっています。
日本を代表する工芸品の漆も例外ではありません。
現在日本を代表する会津塗りや輪島塗りなどでも、原料の漆は殆どが中国製です。
日本製の原料漆の流通量は、たったの2~5%位。
それは値段が全然違うせいです。
ですから日本製の方が良いのは判っていても、仕上げにちっと日本製を使うだけのようです。
それも高級品のみ。
その日本製原料漆の6割が岩手県で生産されています。
そして岩手県でも中心地が旧浄法寺町、今の二戸市浄法寺地区です。
有名観光地ではないので、客はあまり行きませんが、地元国産漆100%使用の漆器を作り続けている地区でもあります。
今回私は自宅でうなぎ用の食器を買うために行きました。
うなぎと云うと即うな重のイメージ。
重箱をすぐ思い浮かべるでしょう。
細長いうなぎを収めるにはちょうど良い横長です。
でもはっきり言って、丼の方が何処に口を付けても同じ口当たり。
断然、重箱より丼の方が食べ易いと思う私。
でも普通の鰻屋は、うな丼が安価、うな重が高価となっている。
これは容器の値段に準じているのだろう。
決して食べ易さではないはず。
たまに値段に係わらず丼と重が選べる店があると、判っているなと感心する。
今回最高の漆の丼を求めて浄法寺へ行った。
漆器の店は数軒。
最初の店には私のイメージに合うものはなかった。
二軒目は靴を脱いで上がる店。
ちっと見るだけで退散は気が引けると躊躇したが、成り行き上、入るしかない。
ウイークデーの昼前、勿論客は私のみ。
この時間、客がいる方が不思議。
東北のおばちゃん店員さんが、私を見てすぐお茶の用意を始めた。
やばい、きっと話し相手が来たと勘違いしている。
目を合わさないように、品物を見ていると「こっちゃ来て、お茶っこ、飲んでいきんさい」みたいな声掛け。
茶菓子も用意されている。
気の弱い私は、言われるままお茶を飲む。
相手のペースで長話しにならない様に、さっさと飲み、話も簡単に受け流す。
入り口近くに求める感じの蓋付き丼があったが2,625円。
イメージより安い。
自分としては5,000円~10,000円の間ぐらいが適正。
もう少し高級な物はないか聞く。
一緒に探してもらうが、ピタッとくる物はなかった。
そうこうしているともう一人女性が入って来て「お客さん、遠くから来たんだね」とナンバープレートの千葉を見た様子。
この人も店員だぁ。
そして私がその女性にもう少し高級品を探していると言うと、女性は反対側のショーケースの中の15,750円の品物を示す。
げげ、高すぎる。
2,625円から15,750円では大分違う。
女性は、下地に木を使っているとどうしても1万円は超えてしまうと言う。
また本物だから、使う程に漆の色が出てきて味があるよと上手い。
私も本音の予算を言うと、そこまでは出来ないが〇割引きは出来ると言う。
えー、そこまでしてくれるならこちらも男。
交渉成立。
漆が剥げたら塗り直しもすると約束。
売り物のお煎餅とおまけの箸まで貰った。
よく考えたら世界最高の日本の漆器。
それも最高の日本製原料漆100%の器。
これも100年使える。
安い買い物と思えてくる。
坂田漆器店
岩手県二戸市浄法寺町岡本前田115
0195-38-2555
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