エジプトのファラオ(王様)は、来世の復活を信じミイラになった。
このワインも何時か眠りから覚める日を待ちわびラップでグルグル巻きにされた。(ラベル保護のため)
持ち主だった方のワインに対する気持ちがひしひし伝わって来て心が動いた。
シャトーマルゴー1970年。
古いワインだ。
もし値段を付けたら何万もするだろう。
ところでシャトーマルゴーを御存知だろうか。
フランスを代表するワインの一つ。
日本では、渡辺淳一氏の失楽園で最後に重要なアイテムとして登場。
以降国内での認知度がすこぶるUPし、渡辺氏はシャトーから招待されたんじゃぁ~なかったかなぁ。
兎に角フランスでは、国宝級のボルドー五大シャトーの一つ。
今、私はあるワインコレクターの方が遺されたワインの処分のお手伝いをしている。
遺された200本近い年代物のワインの現在の流通値段を調べ、購入希望者へどのくらいの値段で売れば妥当かアドバイスをしている。
ただ残念ながら空調の効いた地下セラーでも、ワインの液面が低下し色が変わって明らかに飲めないものもある。
今回のCh.マルゴー1970年は、それ程酷くはないが、やはり明らかに液面が低下している。
万一飲めないものを売り付けたと後でトラブルになってはいけない。
私がその旨を依頼主に話すと「それでは、ご持参下さい」と気前良くプレゼントしてくれた。
1970年は、あまり良い年では?
既に37年も経っているのでコルクの状態も心配。
早々に飲むことにした。
やば過ぎる。
コルク表面の汚れを拭こうとしただけで、コルクが沈む。
古ワイン用の二又オープナーを差込むが、ますますコルクが沈む。
細いスクリューオープナーで、コルクの沈みを抑えながら二又オープナーを差し込む。
結局、コルクは粉々に壊れた。
貰って2~3日では澱が沈みきらなかった。
または開栓に手間取り、細かい澱が舞い上がった。
細かい粒子の濁りが生じてしまった。
ただ37年物とは思えないしっかりした色。
香りは、少しチョコレートのような香り。
熟成がしっかりしているが、開けたては還元臭で駄目だ。
少しブショネのような気もする。
ただ37年経ったのに枯れかかった感じはしない。
まだ十年ちょっとかと思う。
ただ偉大さや上品、繊細さなどは感じない。
瓶外側にワインが漏れ流れたような痕があった。
液面低下の原因がそれだ。
Ch.マルゴー本来ではなかったのだろう。
ミイラ復活成らず。
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